女優比嘉愛未(30)が14日、都内で開催された映画「カノン」(10月1日公開)完成披露試写会舞台あいさつに出席した。

 同作はアルコール性認知症の母と3姉妹の愛と葛藤を描いた作品。比嘉は3姉妹の次女でストーリーテラーの岸本藍を演じている。この日、長女宮沢紫役のミムラ(32)、三女岸本茜役の佐々木希(28)、母岸本美津子役の鈴木保奈美(50)、雑賀俊朗監督(57)らが出席した。

 比嘉は「重い題材をテーマにした作品ですが、明るい未来のためにみんなで頑張った作品」とアピールし、「自分の母も1人の女性であり、いろんなことを乗り越えて自分を育ててくれたと思えた。感謝の気持ちでありがとうといいたいです」と話した。難役を演じた鈴木は「病院にいって分厚い資料をもらいましたが、解読不能でした。認知症の方の気持ちは分からないので想像の範囲でしかありませんが、台本をいただいた時に感じた『孤独』をキーワードに撮影にのぞみました」と明かした。

 映画では3姉妹が「パッヘルベルのカノン」を弾くシーンがあるが、「実際に3人で弾いています」と比嘉は告白。比嘉と佐々木はピアノが全く弾けなかったというが、比嘉は「クランクインの1カ月前から練習して、撮影中もずっと練習していました。そんな時間の共有も3姉妹を演じる上で入り込めました」と話した。「3人とも実際に3兄弟だったみたいです」と、そこまで計算では無かったことを雑賀監督は笑顔で告白した。

 「自信をもってお届けできる映画になっていると思います。女性3姉妹と母の映画というと見る人も女性主体になりそうですが、男性でも共感出来るメッセージやエッセンスが入っています。ぜひ男性にも見ていただき、心のどこかにメッセージが引っかかってくれればと思います」と比嘉は強くアピールした。