宝塚歌劇宙組公演「ミュージカル・コメディ 王妃の館」「スーパー・レビュー VIVA FESTA!」が3日、兵庫・宝塚大劇場で開幕し、レビューでは、真冬に「YOSAKOIソーラン」節を響かせ、トップ朝夏(あさか)まなとが中心になって熱い踊りを披露した。

 今公演はトップ娘役、実咲凜音(みさき・りおん)の退団公演。芝居は、浅田次郎氏の人気小説が原作で、水谷豊主演で映画化もされた「王妃の館」をミュージカル・コメディーとして上演。「ダブルブッキング」をキーワードに、さまざまな騒動が繰り広げられ、実咲が小さな旅行代理店の女社長、朝夏は騒動を拡大させるツアー客の小説家を演じる。今回が最後のトップコンビは、息の合った芝居に続き、ショーでもデュエットダンスでも魅了した。

 そのショーは、お祭りをテーマにしたレビュー。リオのカーニバル、スペインの牛追い祭や、日本のYOSAKOIソーランなどが取り上げられた。よさこい祭は高知県では夏、本場を参考に札幌市が始めた「YOSAKKOI-」は6月に開催される夏祭り。朝夏らは冬の寒さを吹き飛ばすように激しいダンスで熱いステージを展開した。

 朝夏は、サヨナラ公演となる実咲に「自分が卒業するのだから、自分のために舞台で花を咲かせてほしい」とメッセージを送っている。娘役冥利(みょうり)に尽きるトップからのエールに、実咲も「刻々と卒業の日が近づいているんだなって、寂しさはあります。感謝の気持ちを忘れず、最後まで務めたい」と話している。

 公演は、兵庫・宝塚大劇場は3月6日まで、東京宝塚劇場は3月31日~4月30日。東京公演千秋楽をもって、実咲は退団する。