音楽プロデューサーつんく♂(48)が1日、大阪府東大阪市の母校、近畿大学で、4年連続で「平成29年度入学式」をプロデュースし、新入生とともに校歌を“歌った”。

 式典フィナーレ。グリークラブ・吹奏楽部の在校生とステージに並んだつんく♂は、ギターを弾きながら口元を大きく動かし、体を揺らせた。

 「近畿大学~」。新入生との合唱に、その声はかき消されたものの、つんくは食道発声法の練習中で、関係者によると「小さな声は出せるようになりつつある」といい、昨年よりも明らかに大きく口を開き、自らの“声”を合唱にのせているようだった。

 つんくは14年3月、喉頭がんを公表。同年9月にいったん「完全寛解」を発表したが、その後、がんが再発見され、同10月上旬に手術。15年1月、声帯摘出により、発声が厳しくなったことが発覚。2年前の同4月、同じ近大入学式で、声を失ったことを自ら明らかにし、卒業生に文字でメッセージを送った。

 同時に、習得が難しい「食道発声法」のトレーニングを重ね、昨年4月の同入学式でも、トレーニングの近況を報告。卒業生へのメッセージは、言葉をパソコン文字入力する形の“会話”だった。

 今年も、あいさつはスクリーンの文字メッセージとパソコンを使っての会話だったが、表情の明るさはさらに増していた。

 そのメッセージでも、新入生へ向けて「(地方から来て)方言に悩んでいたりすかもしれない。でも、誰かに話し掛けてみよう。一番心配なことを最初にやってしまえば、後は簡単」との言葉を送り、自らは食道発声法により「小さい声を少しずつ。でもおっくうなこともある」と書き込んだ。

 さらに「僕は声を失っても幸せ」とし「一度病気をしてしまった僕は病気の転移や再発と背中合わせ」「だからこそ、自分に負けないように目標を置き、ひとつひとつ乗り越えていくしかないと思っています。人生、みんな初体験」などと、自らの生きざまをもとに後輩たちに励ましの言葉を贈った。