脚本家宮藤官九郎氏が手掛ける2019年NHK大河ドラマ「いだてん」の主演が歌舞伎俳優中村勘九郎(35)と俳優阿部サダヲ(46)に決まり3日、都内の同局でお披露目された。タイトルの「いだてん」も同時に発表された。

 作品は脚本家宮藤官九郎氏のオリジナル。1912年のオリンピック初参加から、64年の東京五輪までを舞台に、マラソンのパイオニアと五輪招致の功労者をリレー形式で描く。中村は前半の主役であるマラソンの金栗三四(かなくりしそう)、阿部は後半の主役となる五輪招致の功労者、田畑政治をそれぞれ演じる。大河で近現代史を描くのは33年ぶり。

 勘九郎の父、故中村勘三郎さんが99年の大河「元禄繚乱」に主演しており、親子二代での大河主演となる。勘九郎は「歌舞伎俳優なのに近代を演じられる僕の方が、ちょっと勝ったと思います」と笑顔で話した。主演に決まったことを勘三郎さんならどう言ってくれるかとの質問に「『自分も出せ』と、(宮藤氏に)直談判しに行くと思う。『俺が晩年やるよ』と」と笑った。

 阿部は宮藤氏と同じ劇団「大人計画」所属。気心知れた間柄だが、テレビドラマで宮藤氏とタッグを組むのは10年ぶりくらいという。「『あまちゃん出てたよね』とよく聞かれますが出てません。『いだてん』に出られて良かった」。また「宮藤さんが大河の脚本書くと決まってから、宮藤さんのところに『主役は俺じゃないですか』と言いに来る人がいっぱい来ていると聞いて、大変だな、無理だなと思った」と笑わせ「そういう人たちに相当な目で見られるプレッシャーはある」と話した。