芸能活動を休止していた桜田淳子(58)が7日、東京・銀座博品館劇場で、13年の40周年公演以来3年4カ月ぶりに一夜限りのステージで復帰した。往年の映画音楽を生演奏と歌で再現する催し「スクリーン・ミュージックの宴」に出演、ミュージカル「アニーよ銃をとれ」の楽曲「自然のままに」など5曲を披露した。前回のステージと比べると少しふっくらとしたが、歌声は健在だった。

 「淳子ちゃん、お帰り!」。桜田が92年に芸能活動を休業して以来、2度目のステージに現れると、約400人の観客から声援が飛んだ。リボンのついた黒い帽子に、モノトーンのワンピース姿。「お呼びいただいてありがとうございます。胸がいっぱいです」とあいさつすると、大きな拍手が起こった。

 ピアニストHIROSHIの演奏でミュージカル「アニーよ銃をとれ」の楽曲4曲を以前と変わらぬ張りのある歌声で披露。会場からは手拍子も起こり、最後に「プレゼントさせていただきます」と、サプライズで自身が81年にカバーした中島みゆきの「化粧」も歌った。

 桜田は92年に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の合同結婚式に参加。同教会のいわゆる霊感商法が社会問題となり、芸能活動から遠ざかっていた。しかし、13年11月に芸能活動40周年ベストアルバム発売を記念したイベントで、約22年ぶりにステージに一夜限りで復帰していた。

 桜田がタクシーで劇場前に姿を見せると、ファンが「淳子ちゃん」と駆け寄り、握手を求めた。50部限定の1枚1000円のサイン入りポスターは10分で完売。同公演プロデューサーの増田久雄氏は「控え室で(桜田が)『こんなに温かく迎えられるなんて』と言っていた」と明かした。

 芸能界から離れ、主婦や3児の母として子育てに専念してきた。一番下の次女も来年には成人を迎え、子育ても一段落。活動再開を望む声に応える環境も整いつつある。桜田は先月、「週刊ポスト」に寄せた手紙で、今回の復帰について「私の終活? の1つとして捉えています。支えてくださったファンの皆さんにありがとうの気持ちを伝えたい!」とつづった。

 今回もHIROSHIと何度もレッスンを重ねた。増田氏も「ずいぶんとレッスンをおやりになった感じはあった。もし彼女が復帰を考えているなら、これがきっかけになればうれしいという気持ちはある」。劇場に駆け付けたファンの思いは、70年代のスーパーアイドルに届くのだろうか。