江戸時代末に開場した講談の寄席「本牧亭」(東京都台東区)が、9月24日に閉場することが、31日までに分かった。講談専門としては国内唯一の寄席という。

 経営者の清水孝子さん(72)によると、経営の悪化などが理由。

 本牧亭は1857年、上野広小路に「講釈場」として開場。閉場や移転を経ながら、多くの名人が活躍した。作家安藤鶴夫の直木賞受賞作「巷談(こうだん)本牧亭」の舞台にもなった。2002年からは現在の場所で定期的な講談の興行と日本料理の店として経営を続けていた。

 10月以降に予定されていた講談の会は、別の場所で行うという。清水さんは「若手の講談師を育てるために、場所を借りて講談の会を続けていきたい」としている。