東日本大震災の支援活動を続ける歌手華原朋美(40)が、阪神大震災から20年を迎えた17日、神戸市長田区の市立駒ケ林中学校で行われた「阪神淡路20年-1・17は忘れない-感謝

 そして元気を明日へつなぐコンサート」に出演し、「アメイジング・グレイス」を熱唱した。

 同コンサートは、地元長田区の商店主らが、震災10年を機に、15年、そして今年の20年と節目に指揮者の佐渡裕氏(53)歌手の高石ともや(73)らを招いて開催。過去2回は五木ひろし(66)が出演したが、今年は名古屋公演中でビデオメッセージでの“出演”。代わって、華原が鎮魂の歌をささげた。

 同所は震災後、避難所として使われたこともあり、この日は同中のほか、長田区内6中学校の吹奏楽部らが集まり、佐渡氏の指揮で「上を向いて歩こう」なども披露された。

 華原は出演後に取材に応じ「人のために歌える幸せを覚えた」と笑顔を見せた。今回の出演は、主催者が華原の歌う「アメイジング-」で鎮魂したいとの思いから、華原の事務所に訴えを届けて実現。ラブコールを受けての出演に、華原は幸せを感じたという。

 「私、ずっと、嫌なことは忘れなきゃいけないと思っていた。つらい恋もあったり、つらいこともたくさんあって、でも、人に助けられて私は生きてきた。つらいことを忘れたら、感謝も忘れちゃう。だから、忘れちゃだめなんだって。そんな思いで歌いました」

 山も谷も経験した華原は「私の経験なんて、神戸の方からしたら小さいこと」と言いながらも、等身大の実体験に置き換え、メッセージを歌に込めたという。

 「人のために歌うというチャンスをくださって、ありがとうございます」と、コンサートのスタッフらに感謝していた。