映画「滝を見にいく」が17日、大阪地区の公開初日を迎え、沖田修一監督(37)が大阪市中央区のシネマート心斎橋で舞台あいさつを行った。

 幻の滝見学ツアーに参加し、山で迷った7人のおばちゃんの珍道中を描くハートフル・コメディー。東京で昨年11月に公開され、今も、ロングランヒット中だ。おばちゃん7人のうち3人が劇団俳優とはいえ、ほぼ全員素人同然。主役に至っては、ロケ地の新潟県妙高市の地域サポート係から「40歳以上の女性、経験不問」という粗っぽい?

 オーディションを経て抜てきされた。

 沖田監督は「南極料理人」「キツツキと雨」「横道世之介」などで確固たる地位を築いており、今回はオリジナル脚本も手掛け、異色作に挑んだ。「プロじゃない人とやりたい、というところから始まった企画。特別な思いがありますが、まさかこれだけたくさんの人に見てもらえるとは…。大阪で舞台あいさつをしていることに驚いています」と苦笑いを浮かべた。

 「あの『ゼロ・グラビティ』を見て“迷って、戻ってくる。似てるかな”と思った」と冗談交じりにニヤリ。撮影期間約10日間、予算は1000万円強の作品ながら、テーマはサンドラ・ブロック主演のSF超大作と同じ?

 なことに胸を張った。

 この日、舞台あいさつを行った大阪は、おばちゃんの生きの良さでは全国屈指として有名だ。司会者に「今度は大阪のおばちゃんで…」とムチャぶりされて「同じ作品は撮れませんから、大阪のおじさんで。駅前でワンカップ片手にわいわいやってる7人が、宝探しに行くとか」と笑顔で応じていた。