歌手松浦亜弥(21)が7日、山形市総合スポーツセンターで開幕した「第4回スペシャルオリンピックス日本

 冬季ナショナルゲーム・山形」の開会式にゲスト出演した。知的発達障害のある人々のスポーツ競技会。松浦は応援歌に採用された新曲「きずな」を現地で初披露し「歌を通して世の中に伝えたい」と大会の知名度向上に一役買うとともに、今後もサポートを続けていく意向を示した。

 開会式終盤。公式プログラムにない松浦の出演がアナウンスされると、場内がどよめいた。約900人の選手団にボランティアらを加えた計2000人の前にシークレット登場。手話とコーラスグループを従え、この日のために練習してきた応援歌「きずな」を熱唱した。♪ありがとう

 生まれてきたこと

 ありがとう

 きずなに感謝…と場内を見渡しながら歌うと、着席していた出場者が次々とステージに詰め寄って会場が一体になった。

 松浦は「皆さんの熱意に圧倒されて逆に応援された感じでした」と火照った顔で振り返り、細川護煕元首相の夫人でスペシャルオリンピックス(SO)日本の細川佳代子名誉会長から「選手は興奮して眠れないんじゃないかしら。明日からの競技が心配だわ」と冗談交じりに感謝された。

 SOは知的発達障害のある人がスポーツトレーニングの成果を競う大会。今年8月に夏季オリンピック、9月に主に身体障害者が参加するパラリンピックが北京で開かれる一方、SOの知名度は低い。松浦は活動の普及と社会への浸透を期待された。「歌を通して世の中に伝えていきたい」と自分なりに考え、現地で歌うことを決めたという。

 「きずな」は細川さんと親交が深い湯川れい子さんが作詞。湯川さんと松浦の交流もあって歌唱することになった。この日開幕した山形大会は来年の冬季世界大会(米アイダホ州)の国内選考を兼ねる。自分の活動が世界につながると喜んだ松浦は「もし(米国で)歌うチャンスがあるのならぜひ」とサポートの継続を表明。「この活動が自然になればなるほど、人々の“心のバリアー”をなくすことにつながる」と話した。