俳優古田新太(42)がシェークスピア作品に初主演する。来年1月の東京・赤坂ACTシアター「リチャード三世」(1月19日~2月1日)で、演出は古田と同じ劇団☆新感線のいのうえひでのり氏(48)が担当し、11年ぶり舞台出演の安田成美(41)が共演する。

 舞台、ドラマ、映画で悪役からクセのある役まで圧倒的な存在感で「怪優」といわれる古田のシェークスピア初主演は悪党中の悪党リチャード三世だ。生まれながらに醜いリチャードはコンプレックスをバネに、巧みな話術と策略で政敵を次々と陥れ、自ら殺した皇太子の夫人アンと結婚し王位も手にする。しかし、栄光もつかの間、数々の悪行に反抗の火が上がって味方も離反し、壮絶な死を迎える。リチャード三世はシェークスピア作品の中で「ハムレット」と並んで人気があり、日本でも先代中村勘三郎、仲代達矢、初代尾上辰之助、山崎努、緒形拳、平幹二朗、江守徹、市村正親ら名優が演じてきた。

 そんな大役に古田を指名したいのうえ氏は「『リチャード三世』的な悪役を前から古田で上演したい、いつかやろうと思っていたんです」。7月の新宿コマ劇場で石川五右衛門役で主演するなど悪役が多い古田も「シェークスピアの中で一番好きな演目なので、頑張ります」と、これまでにない古田流大悪党を目指す。アン役には97年「シルヴィア」以来2度目の舞台となる安田が出演。シェークスピア初挑戦だが、いのうえ氏は「女のもろさや弱さ、母性などいろいろなものが出るんじゃないかと思っています」と期待する。大阪シアターBRAVA!(12月22~28日)、仙台イズミティ21(1月10・11日)でも上演される。