【ロサンゼルス24日(日本時間25日)=千歳香奈子通信員】07年に米映画「ドリームガールズ」でアカデミー賞助演女優賞を受賞した米女優ジェニファー・ハドソン(27)の母親と兄が24日、米イリノイ州シカゴ南部にあるハドソンの実家で射殺されているのが見つかった。

 現場からはハドソンのおいの7歳男児も行方不明になった。シカゴ警察は男児の父親で、ハドソンの姉の元夫(27)を殺人容疑で指名手配。同日夜、同警察が元夫の身柄を確保し事件との関連を調べている。歌手としても活躍する人気女優一家に起きた惨劇に、全米がショックを受けている。

 殺されたのは、母親ダーネル・ドナーソンさん(57)と兄ジェーソン・ハドソンさん(29)。近所に住む親せきが、この日午後3時ごろ、この実家を訪れたところ、居間で頭部を撃たれた母親と、浴室で胸部を撃たれた兄の遺体を発見した。

 犯人は武装し、現場から車で逃走したとみられ、その際、ハドソンのおい、ジュリアン・キングちゃんを連れ去った可能性が高い。ハドソンの広報担当者は「プライバシーを尊重してほしい」とコメント。ハドソンは事件を知り、ショックを受けているという。関係者によると、ハドソンの姉と元夫の間に家庭内トラブルがあり、それが殺害の動機となった可能性もあるという。ハドソンは10代で父親をなくしている。

 ハドソンは今年8月、米民主党大会で、同党の米大統領候補オバマ上院議員(47)のリクエストで、米国国家を熱唱。先月は、米テレビ番組に出演する恋人デヴィッド・オトゥンガとの婚約を発表したばかりで、まさに絶頂期だった。

 また日本時間今月31日、デビューアルバム「ジェニファー・ハドソン」プロモーションのため歌手として初来日し、来月6日まで日本滞在予定だったが、事件を受け、中止となった。