くも膜下出血で緊急入院した元女優南田洋子さん(76)が危篤状態にあることが20日、分かった。この日、夫の俳優長門裕之(75)が出演中の東京・明治座公演終了後に会見し、明かした。重度くも膜下出血で、頭の中の水を抜く手術を受けたが、医師から入院前の状態に戻れる確率は3分の1と言われ、人工呼吸器で命をつないでいる。長門は「ぎりぎりで生きている。洋子には一生分のキスをしてあげた。奇跡?

 起こってほしいね」と願っている。

 会見場に現れた長門から出た南田さんの病状は厳しいものだった。17日夜に文京区の大学病院に緊急入院したが、重度くも膜下出血で大量出血し、おでこに穴を開けて頭の中にたまった水を抜く手術を受けた。直後に医師から告げられたのは「最善を尽くしたが、3分の1の確率で命をなくし、3分の1の確率で植物状態になる。入院前の状態に戻れる確率は3分の1です」と思ってもいなかった言葉だった。

 「入院するまでは甘く考えていたけれど、信じられないことが起きた。洋子が助からないなんて。今は自力で呼吸できないので、人工呼吸器で生きている。今、生きているのは洋子じゃない。元洋子のむくろでしかない」と沈痛な表情で言葉をしぼり出した。

 長門によると、17日午後7時半に帰宅すると、南田さんが嘔吐(おうと)していたため、主治医を呼んだ。瞳孔も開いた状態になり、救急車で搬送された。「最近は普通に会話もできるようになったし、朝は手を振って見送ってくれた。それが、もうするべき治療はなく、もっても時間の問題とも言われるなんて。洋子なしで、おれはどうしたらいいんだ」。

 長門は入院した翌日18日は舞台を務め、休演日だった19日は一日中付き添った。この日も昼夜の舞台を務め、29日の千秋楽まで病院と劇場を往復する日が続く。「号泣して、今の仕事に傷をつけることはできない。劇場に来る人はおれのプライバシーを見に来るんじゃないからね」。

 人工呼吸器で懸命に生きようとする南田さんに長門は「洋子、洋子、洋子」と何度も呼び掛けたという。「一生分のキスをしてあげた。『さよなら』の気持ちを込めてね。助からないことは覚悟している。奇跡?

 起こってほしい。奇跡が起こったら、皆さんの前で頭を下げますよ。そうなったらいいんだけどなあ」。奇跡を信じて、南田さんの待つ病院に向かった。

 [2009年10月21日8時6分

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