覚せい剤取締法違反(使用、所持)の罪で有罪判決を受け、執行猶予中の元女優酒井法子さん(39)と同罪で執行猶予中の高相祐一さん(42)の離婚が成立したことについて、元所属事務所サンミュージックの相沢正久副社長(61)は30日、「立派なこと」と酒井さんを評価した。酒井さんは同事件の初公判で、更生の条件として離婚を表明。高相さんが話し合いに応じず、長い時間を要したが、強い気持ちでこれを断行。同副社長は「大きなステップアップになる」と喜んだ。

 酒井さんの離婚報道(日刊スポーツ1面)を受けて、相沢副社長は30日午後、都内の事務所前で詰めかけた取材陣に対応した。「本人と話してませんが、離婚が成立したことを確認しました」と切り出した。「本人が『更生します』と話してからいろいろありましたが、(離婚は)きちんとやったと思う。立派」とねぎらった。

 酒井さんが09年10月に開かれた自身の初公判で「更生するには離婚が必要」と離婚を表明。6月末に離婚届を提出(書類に不備があり、成立は7月中)するまで、約8カ月の時間を要した。相沢氏は時間がかかったことについて「ここまで延びたのは彼女のせいじゃない。離婚するのは大変なんですから」とかばった。

 相沢氏は芸能界の育ての父ともいえる存在で、酒井さんの初公判では会社内の反対を押し切ってまで、情状証人として証言台に立った。「薬は再犯率が高いだけあって、なんだかんだ安心しました」。更生の条件とした離婚の成立だけに、ホッとした表情を見せた。

 酒井さんと3月に知人を交えて会ったといい、「健康状態も良くて、顔色もすごく良かったです。勉強にも熱心に取り組んでいる様子でした」と明かした。「これ(離婚)は彼女の大きなステップアップになると思うので、頑張ってほしいです」とエールを送った。

 酒井さんは生活を一新させた。親権を持つ長男(11)の子育てのかたわら、創造学園大の通信課程で介護の勉強している。東京・南青山の自宅マンションを引き払い、都内の賃貸アパートで長男と2人で暮らしている。長男が通う東京・港区内の小学校でPTA役員を務めており、小学校へ行く際は、交通機関を利用することもあるという。

 登記簿によると、南青山のマンションは10年5月末に売却していた。同物件の購入価格は約1億7000万円といわれる。ある不動産関係者が「便利な場所で、この騒動があっても価値は下がらなかったはず」と推測することから、購入価格前後の値段で売却したものとみられる。

 夫だった高相さんの逮捕をきっかけに失踪(しっそう)、家宅捜索での薬物発見、逮捕に発展し、世間を騒がせた事件から1年。逃亡者であり、容疑者だったあのころとは打って変わり、酒井さんは現在、継母、長男の3人で都心を離れ、静かに夏休みを送っている。

 [2010年7月31日7時49分

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