【ロンドン29日】英王室のウィリアム王子(28)とキャサリン・ミドルトンさん(29)が、ウェストミンスター寺院で挙式した。01年の出会いから10年。自身の立場に悩み、結婚にも踏み切れずにいた王子を、キャサリン妃が励まし続け、ゴールインした。極秘にされた妃のドレスは、自身の希望でシンプルなものになった。「一般家庭」から王室に嫁いだ「姉さん女房」への英国民の期待度は高く、王室再生の鍵を握る存在になりそうだ。式にはサッカー元イングランド代表デービッド・ベッカムら約1900人が列席した。

 午前11時、キャサリン妃はウェストミンスター寺院に到着した。車を降り、極秘にしてきたドレスを初めて披露した。英ブランド「アレキサンダー・マックイーン」のトップデザイナー、サラ・バートンさんがデザイン。胸元と袖にアンティーク調レース、裾にかけて58のギャザーがあしらわれた。製作チームが30分おきに手を洗い保った純白さが、美しく映えた。

 ダイアナ元妃が結婚式で着たドレスは、裾が7・6メートルあったが、キャサリン妃は約2・7メートル。国の厳しい財政事情に配慮して簡素さを意識。その上で、妃自身が「英国の伝統」「モダン」「シンプル」をデザインのテーマに求めたという。王子はドレス姿の妃と寺院で対面し、笑顔で「あなたは美しい」とささやいた。

 寺院は14年前、王子の母ダイアナ元妃の葬儀が行われた場所。葬儀でも使われた音楽が流れる中、英国国教会最高位聖職者、カンタベリー大教主が「病める時も、健やかなる時も、愛し、慰め…」と問い掛けると、2人とも「誓います」。王子はキャサリン妃の左手薬指に指輪をはめ、照れ笑いした。妃の頭上にあったカルティエ製のティアラは、映画「英国王のスピーチ」で主人公として取り上げられたジョージ6世(エリザベス女王の父親)が妻に贈ったもの。女王が18歳の誕生日にプレゼントされ、妃に貸与していた。

 人気の高い王子は、次期国王の期待もあるが、セントアンドルーズ大で出会い、交際を始めてからキャサリン妃に“リード”されてきた。在学中、学業を続けるか悩んだ時期には、「ここで辞めたら何も残らない」と励まされた。結婚に踏み切れず、1度は破局したが、「君以外には考えられない」と復縁を申し出た。約5カ月年上で積極的な妃にひかれ続けた。

 英メディアによると、「将来の国王」が一般家庭出身の女性と結婚したのは、1660年のヨーク公(後のジェームズ2世)以来約350年ぶり。結婚に伴い、エリザベス女王(85)は王子に「ケンブリッジ公」、キャサリン妃に「ケンブリッジ公夫人」の称号を与えた。その重圧を前に、妃は「激やせした」と報じられたが、この日は約100万人の観衆に手を振りながら、王子と談笑する余裕もあった。バッキンガム宮殿へのパレード後、宮殿のバルコニーで祝福に訪れた観衆に応える「ロイヤルキス」も2度、披露。王子の両親もここでキスをして後に離婚したように、「ロイヤルキスは離婚を呼ぶ」といわれるジンクスさえも、気にしなかった。

 ダイアナ元妃の事故死以降、英王室の人気は下降気味だが、最近の英紙の調査では、57%が「キャサリン妃は良い妃殿下になる」と答えた。王室再生の鍵はキャサリン妃が握っている。【中山知子】