1960年代を代表する米映画「俺たちに明日はない」が日本で初めて舞台化されることが16日、分かった。来年1月8日から東京・青山劇場でスタートする「Bonnie

 &

 Clyde」で、昨年12月に劇団四季を退団した女優浜田めぐみ(39)が主演する。

 「Bonnie

 &

 Clyde」は、67年に公開された米映画(邦題「俺たちに明日はない」)を原作にしている。30年代に実在した銀行強盗カップル、ボニー&クライドのアメリカンドリームと破滅を描き、ボニー役のフェイ・ダナウェイとクライド役のウォーレン・ビーティーが87発の銃弾を浴びて絶命するラストシーンは映画史に残る名場面とされる。その名作を米ミュージカル界のヒットメーカー、フランク・ワイルドホーン氏(50)が最新作として舞台化。来年1月に、日本で初演されることになった。

 浜田の主演起用は、歌声を聞いたワイルドホーン氏の希望で決まった。クライド役は人気ミュージカル俳優田代万里生(27)。テーマ曲「How

 ’Bout

 a

 Dance」の日本版を渡辺美里が歌うことも話題となりそうだ。

 浜田はフリー第1弾となる今作品の主演起用に「大好きな映画です。フェイ・ダナウェイがかっちょいい。日本初演にかかわれることに感謝したいです」。ボニーを演じることも「大丈夫っしょ。そう思わなきゃできませんよ」と自然体で「銀行強盗なのにヒーロー、ヒロインとして注目を集めた彼らの背景を分析するだけでわくわくします」と目を輝かせている。

 15年間在籍した四季では「美女と野獣」のベル役などディズニーミュージカル3作でヒロインを務め、昨年は「マンマ・ミーア!」の主演ドナ役など、看板女優として活躍してきたが、「挑戦」をテーマに卒業を選択した。「芝居のことだけ考えていればいいという恵まれた環境から離れ、小劇場やショーなどあらゆる演劇に挑戦したい気持ちになった。自分で考えて道を進みながら多面体の数をどんどん増やし、いろんな表現をしてみたい。いい仕事をして恩返ししなければならないと思います」。

 東日本大震災と原発事故に見舞われたこの時代で、今作に巡り合ったことにも運命を感じている。「先が分からない中で、今この瞬間をどう自分らしく生きるかという強いメッセージがある。『やるぞ』と燃える何かを、見る人の心に響かせたいです」という。