芸能界デビューを志望する少女らに常習的に性的暴行を加えていたとして、韓国警察は強姦(ごうかん)容疑でソウルの大手芸能事務所社長(51)を逮捕していたことが、18日までに分かった。同事務所には複数の人気アイドルグループが所属。トップが逮捕されたことにより、17日には所属の人気グループが韓国でアルバム発売を予定していたが、急きょ中止になるなど、韓国芸能界を揺るがすスキャンダルに発展した。

 有力紙の朝鮮日報によると、同社長は08年以降、同事務所での芸能活動を希望する女性たちに、1週間に1回以上、常習的に性的暴行を加えた疑いが持たれ、13日に逮捕された。これまで約11人の被害者が確認され、中には未成年者や新人女優も含まれていた。被害者がさらに増える可能性もあるという。

 また、同社長はアルバム発売が中止となったグループとは別の男性アイドルグループのメンバー2人にも指示して女性を暴行させた疑いがあり、メンバーも取り調べを受けている。

 同紙によると、社長は「指導」と称して、夜に地下室で女性に薬物入りの酒を飲ませ襲っていた。また、グループ男性メンバーらが未成年の時から犯行に加担させていたという。社長はレッスン室に設置した監視カメラで、性的暴行の場面をリアルタイムで監視し、アイドルグループのメンバーたちと一緒に性的暴行を加えていたことも、警察の調べで明らかになった。

 社長は少女らに「自分は暴力団出身で芸能界に顔が広い」と語り、警察が業界のうわさを基に捜査を始めるまで1人も被害を届け出なかったという。