女優戸田恵梨香(24)が来年のNHK新連続ドラマに主演することが3日、分かった。2億円当せんの宝くじを手にした女性の数奇な運命を描く「書店員ミチルの身の上話」(来年1月8日スタート、火曜午後10時55分)。同局はここ数年ドラマ枠の充実を図っており、同ドラマも今後さらに拡充予定の「よる☆ドラ」の来年第1弾。戸田はNHK連ドラ初主演。同局は民放連ドラで好視聴率をマークし、演技力も評価される戸田の起用で「ドラマのNHK」をアピールする。

 「書店員ミチルの身の上話」は、作家佐藤正午氏が09年に発表した小説「身の上話」のドラマ化。小説はNHK「週刊ブックレビュー」で「司会者が選ぶ今年のベストワン」や、雑誌「ダ・カーポ」で「国内ミステリー第1位」に選ばれた話題作だ。地方都市の書店に勤めている平凡な女性が偶然、2億円の当たりくじを手にしたことから流転の人生を送る姿をミステリータッチに描いていく。

 ドラマ化にあたってNHKは、ヒロインを務めた作品が民放各局で好視聴率を記録するなど、女優として成長著しい戸田にラブコール。戸田は無名だった小学生時代、NHK連続テレビ小説「オードリー」で、大竹しのぶ(55)の少女時代を演じてドラマのキャリアを本格スタートさせた。同局の加賀田透チーフプロデューサーは「あれから12年今や大輪の花を咲かせ、若手でも群を抜く演技力で共感呼ぶヒロインを演じています」と話す。戸田は熱烈なオファーに応える形で同局の連続ドラマに初主演することになった。

 NHKは最近、ドラマ放送枠の充実を図っている。伝統ある大河ドラマや朝の連続テレビ小説で挑戦的な題材を映像化する一方、主に女性層をターゲットに「話題性あるテーマと高品質のエンターテインメント」を目指した午後10時放送の「ドラマ10」を2年前から本格的に始動させた。戸田が登場する放送枠「よる☆ドラ」は、11年10月から新設された火曜午後11時台の新ドラマ枠。同局関係者によると来年から同枠のさらなるグレードアップを図ることになっており、その第1弾として戸田の主演作を放送することになった。戸田が「ドラマのNHK」の旗振り役を期待されている。

 ◆戸田恵梨香(とだ・えりか)1988年(昭63)8月17日、神戸市生まれ。ヒロインを務めた「野ブタ。をプロデュース」「ライアーゲーム」「コード・ブルー」「流星の絆」「SPEC」「鍵のかかった部屋」など民放各局の連続ドラマが好視聴率を記録。映画は「デスノート」「ライアーゲーム」などシリーズ化されたヒット作に出演。163センチ。血液型AB。