テレビ朝日の早河洋社長(69)が28日、東京・六本木の同局で定例会見を行い、13歳下のフジテレビ次期社長亀山千広氏(56)について「大変優秀なプロデューサーでトップ争いをけん引してきたクリエーター」などと語った。昨年度の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)では、テレビ朝日がプライム(午後7時~11時)ゴールデン(午後7時~10時)の2部門で1位。フジテレビは、全日(午前6時~翌日午前0時)も含めて3部門すべて3位と低迷したが、かつて3冠の常連だった同局に敬意を示し、「我々は胸を借りるつもりで、ぶつかっていく。横綱に立ち向かう気持ちで」と話した。

 発言の背景には、亀山新体制でばん回を狙うフジテレビへの警戒心もあったようだ。テレビ朝日は今年度も3部門すべて1位と好調だが、フジテレビも得意の連続ドラマを中心に盛り返しており、「テレビは約30年間、日本テレビとフジテレビがトップ争いをしてきた。我々はまだ短い期間しか経験していない」と気を引き締めた。

 その上で、身内には苦言を呈した。4月期の民放ドラマ平均視聴率で同局は、「遺留捜査」(水曜午後9時)が11・6%、「ダブルス」(木曜同9時)が11・9%と伸び悩んでいることを「不完全燃焼。『相棒』などのドラマに比べて濃密さが欠けている。キャストは良いが、刑事ドラマとしてサスペンス、社会性、人間ドラマが足りないのでは」と斬った。

 同時に、6月4日に生中継するサッカーW杯ブラジル大会アジア最終予選オーストラリア戦については「W杯出場が決まる試合。40%は取ってもらいたい」と高いハードルを設定した。1位死守へ。会見を見つめる同局役員、社員にも緊張感が漂った。【三須一紀】