幕末の志士、吉田松陰の妹・文(ふみ)の生涯を描くNHK大河ドラマ「花燃ゆ」(来年1月スタート、日曜午後8時)が、山口県萩市で5日にクランクインし、9日に現地で取材会が行われた。文役の井上真央(27)、文の最初の夫、久坂玄瑞役の東出昌大(26)らが出席した。

 東出は、交際中の杏(28)と共演した13年連続テレビ小説「ごちそうさん」に続くヒロインの夫役だが、現在は大河に全力投球中。この日も「クランクインまで自分なりに勉強してきました。地元の方や先人の志を背負って、精いっぱいやりたいです」とストイックな姿勢を見せた。朝に街中を散策しているといい、「屋敷を出て…ホテルを出て。屋敷ってなんだ」と言い間違える場面もあった。

 朝ドラと同様に国民的番組の大河とあって、前日は、緊張で眠れなかったという。「内心バクバク。情けない話ですが、真央さんと2人の芝居だったので、力を借りながら。仕事も、現場の居住まいも、勉強させていただきました」。

 井上とは初共演だが、一緒に萩市の名産、見蘭(けんらん)牛を食べに行くなどしている。共演者と収録以外でも仲良くして士気を高めるのは「ごちそうさん」の時と同様で、井上も「本当にマジメですごく真摯(しんし)で、役にピッタリ。見た目も幕末藩士という感じ」と東出に信頼を寄せていた。【鈴木絢子】