松任谷由実(60)比嘉愛未(28)主演の舞台「Yuming

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 あなたがいたから私がいた」が8日、東京・帝国劇場で開幕した。ユーミンの歌と演劇が融合した異色の音楽劇の第2弾。ユーミンは「(12年上演の)前回は涙をふくのにハンカチを用意して、と言ったけど、今回はバスタオルかな」と自信満々だった。

 初日本番前の楽屋に、関西から200個以上の高級懐石弁当が届いた。座長のユーミンが「力を入れました。陸路と空路で取り寄せました」と言い、共演者やスタッフに配られた。今回の公演にかける並々ならぬ思いの表れだった。

 前回に続いて作・演出も手掛けたユーミンの夫、松任谷正隆氏が告白した。前回の作品について「最悪のものをつくってしまった」と明かした。初日直前に台本を手直しして稽古する事態があったという。しかし今回は、ユーミンが「脚本がすごいと思った。すごく進化している」と納得の表情を見せたように、松任谷氏は「台本のイメージの10倍良くなっている」と仕上がりに強い自信を持っている。

 比嘉、福田沙紀、渡部豪太演じる幼なじみ3人の友情や恋、別れ、再会を描く純愛物語。せりふで語られない心情を、ユーミンが「ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ」「守ってあげたい」「ハルジョオン・ヒメジョオン」「春よ、来い」など十数曲で歌い上げる。主演の比嘉は「自信を持って舞台に立てる。幸せで胸がいっぱいです」。前作では「涙をふくのにハンカチを用意して」というユーミンたっての希望で、劇場売店でハンカチが販売されたが、ユーミンは「今回はバスタオル。本当に自信を持っています」。この日の2度目のカーテンコールでは比嘉、福田らが「卒業写真」を歌い、大きな拍手を浴びた。【林尚之】