俳優大沢たかお(44)と女優松嶋菜々子(38)が、三池崇史監督がメガホンを握る新作映画「藁の楯」で共演することが30日、分かった。8月にクランクインして、来年のゴールデンウイーク公開予定。大沢はTBS系「JIN-仁-」に、松嶋は日本テレビ系「家政婦のミタ」に主演。昨年、連続ドラマで高視聴率に貢献した者同士のタッグは、大きな話題となりそうだ。

 国民的俳優と女優の夢の共演が実現する。昨年放送の「JIN-仁-」で、最高視聴率26・1%を記録した大沢と、「家政婦のミタ」で、最高視聴率40・0%という金字塔を打ち立てた松嶋が、作家木内一裕氏の大ヒット小説「藁の楯」の映画化作品で共演する。大沢が主人公の警視庁SPを、その相棒SPでヒロインを松嶋が演じる。

 監督も豪華で、欧州を中心に海外映画祭の常連で、世界的にも知名度の高い三池崇史氏(51)を迎える。8月19日のクランクインを控えた大沢は「この小説の映画化がずっと心待ちでした。大好きな三池監督と、スタッフ、キャストと一丸になって、撮影に挑みたい」。松嶋も「今回、三池監督とご一緒できることが、とても楽しみ。監督の世界観に染まれるように、皆さんとともに全力を注ぎたいです」と、そろって三池監督との初仕事を待ち望む心境を明かした。

 実は、大沢と松嶋は07年の映画「眉山」で共演していた。松嶋演じる娘と母の絆を描く物語だったが、青年医師役の大沢とは恋人の間柄だった。

 今作は、サスペンスアクション映画で、2人は警視庁SPの同僚を演じる。原作では男役だった主人公のパートナー役を松嶋を起用するために、わざわざ女性に変更したほど。小岩井宏悦プロデューサーは「映画的な役者であることが大前提だった。映画に華と大作感を与えてくれるのは、大沢さんと松嶋さんしかありえなかった」と、宿願だったことを説明した。2人のスタッフたちも「気心が知れている間柄で、安心して撮影に臨めます」と話している。

 話題の原作を奇才三池監督が手掛ける映画で、大沢と松嶋が、どんな演技を披露するのか。今後、最も注目を浴びる一作になりそうだ。【瀬津真也】

 ◆藁の楯

 少女への暴行殺人事件で服役し、出所したばかりの清丸国秀(藤原竜也)が、政財界を仕切る大物の孫娘を殺し行方不明になった。3カ月後、新聞に10億円の謝礼で、清丸を殺してほしいという広告が掲載された。身の危険を感じた清丸は福岡県警に自首、身柄を警視庁まで護送するために、警護課SPの銘苅一基(大沢たかお)白岩篤子(松嶋菜々子)ら、5人の精鋭警官が集まった。木内一裕氏の小説が原作。