映画「るろうに剣心」3部作の完結編「伝説の最期編」(大友啓史監督)が13日、初日を迎え、都内で舞台あいさつが行われた。前作「京都大火編」は興行収入48億円を突破し、今年の実写日本映画NO・1。完結編も公開初日の観客動員数が前作比150%と好スタートを切った。3部作で計113億円の興収を記録したヒット作「20世紀少年」を上回る勢いをみせている。

 主演の佐藤健(25)は、あいさつの最後に、かみしめるように言った。「役者人生の中で多分、一生のうちに会えるか会えないかくらいの作品に出会えた。全関係者の努力の結晶を、本当の意味での伝説という形で残せたら、と思っております」。

 8月1日に封切られた前作の興収は、前日12日時点で48億円を超えた。「伝説の最期編」も前作を大幅に上回る出足をみせており、2作合計で興収100億円を超える可能性は十分にある。興収30億円を記録した12年の第1作「るろうに剣心」と合わせ、3部作で130億円に達することになれば、「20世紀少年」3部作の113億7000万円をはるかに超える大ヒット作となる。

 実は、「るろうに剣心」は、当初から3部作での公開を予定していた「20世紀少年」とは成立の事情が異なる。「るろうに剣心」は、第1作撮影中の11年夏に小岩井宏悦プロデューサーが続編の製作に向け、水面下で準備を進めていたが、第1作のヒットが大前提だった。第1作が興収30億円を突破したことを受けて続編製作が正式に決定した。漫画家和月伸宏氏の原作漫画で最も人気が高い「京都編」をベースにすると決めたが、1作では収まらないことが分かり、2本製作することを決め、結果として3部作となった。

 佐藤も不退転の覚悟で挑んだ。「アクションが格好悪かったら、役者をやめる」と言って第1作の撮影に臨んだ。続編は「第1作を超える自信、確信を持てなかったら、やらなかった。世界を完全に視野に入れて作った」という思いで取り組んだ。佐藤ら俳優陣の覚悟の演技が、ハイレベルのアクションを作り上げ、観客に支持された。「伝説の最期編」の公開は、日本映画の新たな伝説の幕開けとなりそうだ。【村上幸将】