乃木坂46の3期生オーディション最終審査が4日、都内で行われた。応募総数4万8986人は、アイドルグループのオーディションでは異例の規模。4082倍もの狭き門をくぐり抜け、初々しい新メンバー12人が加入した。

 「合格者は全員。皆さんです!」。運営委員長の今野義雄氏が発表すると、12人全員が「えっ!」と驚いて顔を見合わせた。笑顔で喜ぶ者、感極まって涙を流す者もいた。最終オーディションの全員合格は同グループでは初めて。関係者は「最後まで1人1人審査をした上で、全員が合格となりました」と話した。

 11年の1期生オーディションの応募総数は3万8934人で合格は36人。13年の2期生オーディションは1万6302人の応募で合格は14人だった。ともに倍率1000倍以上だったが、今回は4000倍以上。昨年のNGT48の1期生オーディションが応募5850人、昨年12月から実施した「バイトAKB」オーディションが6793人だったことから見ても、4万8986人は飛び抜けた数だ。

 乃木坂46は女性ファンの多いアイドルグループとしても知られる。白石麻衣(24)橋本奈々未(23)らファッション誌の専属モデルを務めるメンバーが7人もいる。スタイルやルックスの良さに加え、上品で清楚(せいそ)な雰囲気などが、女性にとって憧れの対象となり、目標にもなっている。関東地区の握手会では、ファンが並ぶ列の半数近くが女性というメンバーもいる。「女子高生が今もっとも入りたいアイドルグループ」という結果の出たアンケートもあった。こうした背景もあって、オーディション応募が膨れあがったとみられる。

 合格者の1人、向井葉月さん(17)は「3期生が入って良かったとファンの方に言ってもらえるように頑張りたいです」と意気込んだ。昨年はNHK紅白歌合戦初出場を果たし、今年も発売シングル2枚は、ともに売り上げ80万枚超え。勢いに乗る乃木坂46に、驚異的な倍率の難関を突破した精鋭たちが加わった。【横山慧】