東京都の小池百合子知事(64)は15日、20年東京五輪のボート、カヌー会場の候補地の1つ、宮城県登米市の長沼ボート場を視察した。

 2DKの仮設住宅2戸分を8日間の突貫工事で改修し、60平方メートルの2LDKにした選手村モデルルームを視察した小池氏は「被災地で使われた仮設が五輪用によみがえることは1つの大きなメッセージ」と評価した。

 誘致する側の宮城県の村井嘉浩知事(56)は12日に組織委から指摘された9つの問題点について、回答。選手村の分村について、組織委が提示した「五輪時1300人の選手」も、県内にある1126戸の仮設住宅の再利用で対処できるとした。パラリンピック時のバリアフリー住宅も4人用を50戸用意する。

 仮設住宅分も含んだ最大200億円という試算も提示。ボート場に必要な撮影用の伴走路やカメラレーン、観客席の費用も入れ、都が試算した351億円から大幅に圧縮できると主張した。

 観客、大会関係者の宿泊施設不足については、登米市内の約200人収容できるホテルの他に、隣接する南三陸町にある約1300人が宿泊できるホテルを利用するとした。新幹線などで1時間圏内の仙台市のホテルも利用可能と提案した。