東京都の小池百合子知事は30日午前、自身が立ちあげた政経塾「希望の塾」を東京・池袋でスタートさせた。4827人が応募し、審査などを経て選ばれた2902人が出席した。

 小池氏は入塾式に先立ち、塾生にあいさつ。「東京や日本に、もっと希望を見いだしてほしい。東京や日本にはいろんなものがあるが、ひとつ足りないのは希望ではないか」と指摘。「希望の塾を通し、みんなで希望を見いだし、実現してこうではないか」と呼び掛けた。

 その上で「この塾で政治や行政のツボを学んでいただき、みなさん自身が政治にもっと学びを深めてほしい」と要請。「これまで、日本には松下村塾などいろんな塾があったが、私は、この塾でインタラクティブ(双方向)に学び合いながら、すばらしい都政にしたい。塾生1人1人が、プレーヤーとして参加していただけるような方向を目指していきたい」と述べた。

 「都知事選でいただいた291万票を生かすべく、仕事をしてきたが、間もなく就任3カ月を迎える。せっかくいただいた都政への熱い熱い思いを、どうやって都政に反映させていけるのか(考えている)」と、就任後を振り返り、「今は18歳以上が選挙権を持っている。若い方にも学校では教えてくれない政治、行政を学ぶ場所はないかと思った」と、若い世代への発信も目的の1つと語った。

 参加者について「北海道から沖縄まで、全国津々浦々、お集まりいただいた」という。

 「東京にいくつもある課題を、何十年かけて答えを出すのでは、間に合わない。スピードアップし、やるべきことがわかっているなら実行しよう」と、政策実現のスピードアップの必要性も強調した。

 式は、約1000人収容の帝京平成大の講義室が使われ、応募者が予想を上回ったことから、午前1回、午後3回に分けて行う異例の体制が取られた。