築地場外市場に19日からオープンする商業施設「築地魚河岸」で11日、京橋消防署による消防訓練が行われた。

 ポンプ車からの放水、はしご車を使っての救出など消防団、自衛消防隊ら約100人が参加する大規模な訓練となった。

 京橋消防署関係者は「出火したら、まず自分たちで守る初期消火がとても大事です。築地は防火に対しての意識が高い地域。消防とのつながりも強いです」と、日頃の自衛活動を評価していた。

 新商業施設は2棟で構成され、敷地面積は約6000平方メートル。55店舗が営業を予定。当初は10月15日オープンを予定していたが、豊洲新市場の盛り土問題などを受けて約1カ月延期になった。

 中央区都市整備公社まちづくり事業部の石田純一部長は「防火にしても、食にしても、すべての面で安全な施設にするのが基本です。ここはもともと豊洲への移転を前提にした施設。早く結論を出してほしい」と語っていた。

 場外に店を構える関係者の心境は複雑だ。「移転の問題で1カ月遅れたけれど、なんとか年末には間に合ってくれてよかった。結果的には、築地市場があるのとないのとでは、場外の売り上げも違う。今年だけのことを考えれば、場内が残っていてよかった」との感想も聞かれた。「豊洲に移転した後は、さすがに『築地』の名前を使って商売はできない。『豊洲』でやるしかないのであれば、早く安全であることを示して欲しい」と願っていた。