2020年東京五輪のバレーボール会場見直し問題で東京都が検討している横浜アリーナ(横浜市)を国際オリンピック委員会(IOC)が1日に視察し、放送用設備のスペースとして想定されるエリアが狭すぎると指摘したことが関係者の話で分かった。これまでも警備や運営用の周辺用地不足が言われてきたが、IOCの生の声が危惧を示したことで、都が検討する「横浜案」はさらに難しい状況に立たされた。

 約10人のIOC実務者はJR新横浜駅からの観客動線や周辺用地、ホテルなども見て回った。視察は前日11月30日までに急きょ決まり、小池百合子知事は同日のテレビ番組で、IOCの視察に対し「あれはダメ、これはダメと言うのだろう」と批判的だった。

 また、横浜市が「競技団体、IOCの意向が一致していることが重要」との文書を11月25日、都に送付していたことも判明した。バレーの国際連盟、日本協会とも変更案に強く反発し、現計画の有明アリーナ(江東区)新設を求めており、関係団体の合意が得られておらず、市が懸念を示した形。周辺民有地への交渉や、道路封鎖に伴う住民らへの説明は都や組織委が対応すべきだとも強調した。

 問題を巡っては11月29日、IOC、組織委、都、政府の4者協議で小池氏が、有明と横浜の結論を出さず、クリスマスまでの先延ばしを求めていた。