ツイッターを多用する一方、当選後、初めて開いた会見でCNNテレビの記者を「お前の会社はひどい」「お前には質問させない」と激しくののしったトランプ次期米大統領(70)とマスコミの攻防に、日本の“つぶやき王”橋下徹前大阪市長(47)が「政治とメディア」などと題して、ツイートし続けている。「メディアの一方的発信よりよほど健全だ」。SNS政治の功罪は-。

 橋下氏はツイッターで、「トランプ会見」「トランプ氏」「政治とメディア」と題して、トランプ氏の会見で浮き彫りになったメディア敵視とSNS政治についてつぶやき続けた。

 ◆「トランプ会見」に

 8年間の大阪府知事、大阪市長時代、大阪都構想の広告不掲載で朝日新聞記者の出席を拒否したことはあるものの、基本的に全メディアの質問にガチンコで答えてきた橋下氏は「腹立つメディア、考えの違うメディアはたくさんあったが、質問を拒否することなく徹底して議論した。トランプよ! CNNの質問を拒否することなく徹底してやり合え! CNNも負けるな! 最後は有権者の判断に委ねろ!」。

 ◆「トランプ氏」に

 ただ、メディアの批判がトランプ政治の危うさに向くと、橋下氏はメディアにも矛先を向けた。「『トランプはメディアを敵対視している』ってどこまでメディアはご都合主義やねん。ケンカを最初に売ったのはメディア。メディアがトランプの首を獲りに行って負けたんだろ」「メディアがどれだけ偉そうな御託を並べても雇用の一人も生み出さない。他方トランプ氏は今のやり方を選挙で訴え続けて当選した。だから実行する。そしてアメリカ国内での雇用を増やすと約束する企業が続々と出現。これって民主政治そのもの」とも書き込んだ。

 ◆「政治とメディア」に

 ツイッターなどSNSは橋下氏も多用する。世界の耳目を集めた次期大統領の初会見の見方についてもツイッターで次々と持論を並べた。「トランプ氏のツイッター利用を批判するが、メディアは自らも反省せよ。どれだけ会見で答えても編集されて都合よく報道される。それを変えるのが政治家自らの発信だ」「SNSが政治家の一方的発信で危険としているが、メディアの発信も一方的だった」「政治家がSNSを使うことは民主政治にとってはより有権者のためになる。メディアは政治家のSNSに徹底批判を加えればいい。最後は有権者が判断する。メディアの一方的発信よりよほど健全だ」。

 その上でけんかを勧めた。「政治家は腹が立ってもケンカしてでもメディアからの質問は受けて答えるべき」「政治とメディアがケンカする方がなれ合いよりもよほどましだ」と。