大相撲初場所で優勝した稀勢の里が通った茨城・龍ケ崎市立松葉小の当時の教頭・葉梨修さん(70)は22日、同県美浦村の自宅で白鵬戦をテレビ観戦した。小学時代、わんぱくだった萩原寛(本名)少年が横綱を確実にした優勝インタビューで「いろんな人の支えがあって」と感謝を表現した場面に「見事に成長して立派になった」と目を細めた。

 「周りより頭2つ飛び出るほど大きかったけど、運動神経は抜群でかけっこが速く、負けず嫌いだった。中学時代は野球部のエースで4番。常総学院からもスカウトされたぐらい」。担任の先生はいたずらした萩原少年を上から押さえつけず「将来大物になる」などと上手に乗せて教育していたという。

 卒業アルバムに書いた将来の夢は「長生き」。19年ぶりの日本出身横綱となれば重圧が予想されるが、葉梨さんは「自分のペースで長く相撲を取ってほしい」と相撲人生でも「夢」がかなうように願った。

 十両に昇進した04年に「松葉小教職員の会」という後援会を発足させた。松葉小時代の教諭がスポーツ新聞を持って来て葉梨さんに駆け寄った。「萩原が相撲をやってるなんて知らなかった。こりゃ応援しようじゃないかとなった」。それから13年、苦しい時代も見てきたが「誰もが納得する横綱になるでしょう」と地元のヒーローをたたえた。【三須一紀】