最近表舞台から消えていた北朝鮮の金正男氏が、マレーシアの空港で「毒殺」される衝撃的なニュースが、世界を駆けめぐった。北朝鮮の「国家ぐるみ犯行説」が真実なら、肉親でも手にかける金正恩・朝鮮労働党委員長の残酷さを示す事態だ。就任1カ月が過ぎたトランプ米大統領は、側近だった大統領補佐官の引責辞任で、足元は定まらない。1強の安倍晋三首相にも「不測」の事態が発生。世界でざわつきが止まらない、2月の言葉から。

 デスクA 正男氏「暗殺」の一報は、バレンタインデーの夜、突然飛び込んできた。にわかには信じられなかったし、とにかく情報が錯綜(さくそう)した。

 記者A 現地紙も含め、手当たり次第に情報を調べましたが、今となってはこんなにいいかげんな情報が多い「事件」も、珍しいと思いました。情報が二転三転する場合が多い。

 記者B 今や犯行の鍵を握るのが実行犯の2人の女。一時、「日本政府関係者」の情報として死亡説も流れました。真偽は不明ですが、日本政府のインテリジェンスが問われかねない。

 記者C マレーシアのメディアは、なじみが薄い。現地報道の情報に頼らざるを得ない面は多いが、「フェイクニュース」もあふれていたように思う。

 記者D 警察は毒物はVXガスと発表したが、最初は「毒針説」まで流れた。自然由来の物質という情報もあったし…。

 デスクB かつて「トリカブト事件」も、毒物の内容が分かったのは発生から1年後だっただけに、発表は意外に早かったと思う。

 記者A 死因特定や犯人の身柄確保は難航している。空港という公衆の面前での犯行。北朝鮮側は犯行を全面否定していますが、マレーシアは真相解明できないと、国家のメンツが問われる。

 記者E 14年3月に南シナ海上で墜落したマレーシア航空機の捜索が1月に打ち切られたばかり。飛行機や空港に関わる部分で、トラブルが相次いでいる。

 記者C 北朝鮮といえば、この事件の数日前、弾道ミサイルを発射した。トランプ米大統領と安倍晋三首相が、ゴルフ会談を終えて夕食会に臨む直前だった。

 記者A 一般客もいるトランプ氏所有の高級リゾートのレストランで、あわただしく電話する様子が、SNSにアップされた。トランプ流おもてなしが招いた「ハプニング」だった。

 記者B ゴルフ会談から帰国した首相は、また報道番組を行脚して成果を強調しました。世界中から「内容を教えてほしい」と要請があるそうです。

 記者D その首相もここにきて、森友学園の問題に巻き込まれている。夫人も名誉校長を辞任。政治的にも活動的で知られる夫人ですが、今回ばかりは野党から「なってはダメだった」と苦言が出ました。

 記者C 私は、冨田真由さんを刺傷した岩埼被告の初公判を取材しましたが、こんな裁判取材は初めて。びっくりした。

 記者A 法廷で「じゃあ(自分を)殺せよ」と叫んだり。未熟さが叫び声に表れていた。

 デスクA 冨田さんが自身で意見陳述したのにも驚いた。それも被告がいる法廷で。強さを感じた。

 デスクC 注目の都政はいよいよ今週末、豊洲移転問題で石原元都知事が会見を開く。

 記者B 小池知事の定例会見の1時間後。言いたいことを言うだけや、「都庁に聞いてくれ」ではすまないね。

 記者A 舛添要一前知事は税金の公私混同を指摘された会見で墓穴を掘った。慎太郎氏も、週刊誌が知事時代の公金問題を報じている。しっかり取材します。