籠池泰典氏は23日の証人喚問で、国有地の埋設物撤去費用の返還をめぐり、昨年1月に稲田朋美防衛相の夫、龍示氏の弁護士事務所で、同氏と近畿財務局、大阪航空局の職員と会ったと主張した。「建て替えた分(約1億3000万円)が返ってこないことに関し、稲田龍示氏とお会いした」と述べた。

 稲田氏は今月14日の国会答弁で、夫の龍示氏が籠池氏との顧問契約を04年10月に結び、09年8月に終了したと述べていた。籠池氏の発言が事実なら、顧問契約後も、籠池氏や学園との接点があったことになる。

 一方、籠池氏は、夫と顧問契約を結んでいた際に事務所を訪れた時、稲田氏と、もう1人の弁護士が同席していたことを明かした。民進党の枝野幸男氏が「夫だけでなく、稲田氏とも事務所で会っているのか」と指摘されると、「その通りだ」と主張。また、稲田氏は国会答弁で、森友学園の裁判に「行ったことはない」と述べた答弁を一転させ、04年12月に学園の訴訟に代理人弁護士として出廷したことを認めているが、籠池氏はこの日、ほかにも稲田氏と夫が代理人を務めた裁判があると明かした。

 稲田氏は「現在、事実関係を確認中」とするコメントを発表。きょう24日の参院予算委員会で再び追及される可能性がある。