自民党の小泉進次郎農林部会長は25日、地元の神奈川県横須賀市で、0歳児から、全年代の人々が参加できるユニークな活動報告会を初めて行った。会場に、巨大な塗り絵コーナーやベビーカー置き場を設置。子どもが駆け回り、赤ちゃんの泣き声も響く中、360度客席を見渡せるステージを設置、タイムキーパーも子どもたちに任せた。

 進次郎氏は「日本が、今までと同じことをやっていることが最大のリスクなんだということを分かってもらうために、考えた」と述べ、日本人が持つ政治参加に対するイメージを変えることも、1つの狙いだと明らかにした。政治が、それぞれの生活につながっていることを、子どもたちの意識に訴えかけることも目的だとし、報告会を「教育の場」だとも述べた。

 最近、地元に「投票は18歳から 政治参加は0歳から」をキャッチフレーズにしたポスターを貼った。すると、地元の子どもたちから「赤ちゃん泣いてもいいんでしょ」「廊下走り回ってもいいんでしょ」と、予想しなかった反応があったという。

 選挙区内のこども食堂を視察した際にも、「政治は0歳からでもいいんでしょう」と言葉をかけられた。「0歳からの政治参加」は、子どもたちの関心にも訴えかけられると判断し、準備を進めたという。

 自身も幼少時、父の小泉純一郎元首相に連れられ、通夜に参列した際の光景を覚えているとした上で、「0歳の子には今は分からないと思うが、子どものころに行ったのは、小泉の演説会だったという記憶になれば、世の中への関心につながるのではないか」と指摘。「この場も教育だ。選挙権年齢は18歳になったが、政治参加は18歳ではなく、0歳からという考えを浸透させたい」と述べた。

 その上で、米留学時代の経験を踏まえ「日本にいたら、日本のことは分からない」として、海外留学を進め、さらに留学する際の無償化プランも披露。自民党の若手議員とともに「人生100年時代」と題した提言を発表したこともあり、政府が進める「働き方改革」の向こうを張り、「これから必要なのは、生き方改革だ」とも主張した。

 終了後、報道陣の取材に「『楽しかった』という感想が多かった。政治の会合で楽しかったと言われるのは、大成功じゃないですか」とアピール。今回のやり方で開催するまでには、さまざまな声があったというが「チャレンジしてよかったし、(このスタイルに)こだわってよかった。これからも根付かせたい」と、手応えを感じていた。