民進党の保守派論客で知られ、防衛副大臣を務めた長島昭久衆院議員(55=衆院比例東京ブロック)は10日、国会内で野田佳彦幹事長に離党届を提出した。その後会見し、「本日、1人の政治家として『独立』を宣言します」と述べた。

 離党届表明の理由について「保守政治家として譲れない一線を示す」ためと主張。党が進める共産党との選挙協力方針に対する強い拒否反応を挙げた。

 個々の共産党議員については「常々敬服している」としながらも、共産党との外交・安全保障政策の路線の違いに触れ「残念ながら重なることはありません」と指摘。衆院選での共産党との選挙協力について「衆院選は政権選択の選挙。国家観も、目指すべき社会像も著しく異なる共産党との選挙協力は、参院選で選挙協力を行うこととは本質的に異なり、国民の理解を得ることは難しいと考える」としている。

 このタイミングでの離党届提出について「私にとっては、遅きに失したと思う。何度も試みて、何度もいさめられ、何度も思い直した」と述べた。「党を変えたいと思い、代表選にも挑戦したが(規定の)推薦人を集められず、私の主張は今の党の中では受け入れられないということ。考えに考え抜いて、このタイミングになった」と述べた。

 今後は無所属で活動するとしている。思想的に近い自民党会派入りや、小池百合子都知事との連携も取りざたされる。長島氏は今後の動きについて、「政治は一寸先は闇だ。この場で確たることを申し上げられないが、あらゆる可能性を探りたい。真の保守を確立するため、私と思いを共有する人と行動をともにしたい」と、含みを残した。