日本スポーツ振興センター(JSC)は15日、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場に関する定例会見を行った。建設工程の3分の1が過ぎ、来年2月からは最も難工事となる、屋根部分の建設が始まる。

 今年は長時間労働などで工事の男性現場監督(23)が自殺する問題も起き、労働環境の改善に取り組んだ。工事現場の開閉時間を徹底し、午前7時から午後8時とした。6月から看護師が常駐する健康相談室を設置し、これまで1日平均10件もの相談が寄せられた。11月末からは医師とカウンセラーを週1回の頻度で配置した。

 現在、1日約1300人の作業員が従事。来夏には最大で1日約3000人にもなるという。屋根工事は最大で高さ50メートルの場所で作業員が働くこととなり、JSCは徹底して安全面に配慮するという。

 屋根工事には木材の取り付けも並行して行われるため、新国立の特徴である「木と緑のスタジアム」の風貌が徐々に見えてくる。