自民党総裁選(20日投開票)をめぐり、石破茂元幹事長を支援する斎藤健農相が、安倍晋三首相の支援議員から辞表を書くよう圧力を受けたとされる問題で、首相の盟友、麻生太郎副総理兼財務相は18日の会見で、閣僚が首相の対立候補を支援するのは、不適切だとの認識を示した。近年の総裁選は無投票か現職総裁が出馬していないとして、「今回は(現職総裁が)いてやるわけだから。現職の閣僚が出るという時は、どういうことになるかという話を根本に据えておかないと」と述べ、圧力を擁護した。

首相は17日の報道番組で、「(陣営は)『そんなことあるはずない』と怒っていた」と述べ、斎藤氏に発言者の名前を明かすよう要求。しかし、斎藤氏は会見で「事前によく考えた上での発言。改めて付け加えることはない」として、明かさなかった。一方、石破氏は広島県福山市の演説で「脅し、圧力があるとしたら、自民党は社会の見本になるか。圧力やパワハラが『よくあること』では済まされない」と批判。麻生氏の発言も「権力を持つ者には逆らうなという意味なら、それはどうか。私とは考え方が違う」と疑問視した。投票を明日20日に控える中、両陣営の溝はさらに悪化。二階俊博幹事長は「円満な形で終わることを願っている」と述べた。