菅義偉官房長官は22日の会見で、首相主催の「桜を見る会」に反社会的勢力が出席していたのではないかと野党が指摘している問題を問われ、可能性を否定しなかった。「そういう方が入っていたという(指摘がある)ことはそう言われても仕方がない」と述べた。

ネット上では、菅氏と反社勢力とされる人物が会で撮影したというツーショット写真が流れている。また、永田町では今週「やや日刊 桜を見る会新聞」と題した怪文書が出回り、反社勢力とされる人物が会に参加した際の写真が掲載。菅氏は、こうした人物との面識はないとした上で「多くの方と記念撮影した」ことは、認めている。

皇室関係者や各国大使も出席する会だが、本人確認が十分でなく、セキュリティーのずさんさが浮上。出席者の身元確認は内閣府などが担当しているが、菅氏は個人情報保護を念頭に、名簿を事前に警察当局に渡さなかったと強調した。

一方、政府が共産党の宮本徹衆院議員に資料請求された今年5月9日、招待客名簿をシュレッダーで廃棄した問題では、「証拠隠滅」の疑いが拡大。内閣府は、すぐに廃棄する文書の対象としながら、会から廃棄まで約1カ月かかったことについて、大型連休をはさんで複数部署の使用が重なり、処理の予約が取れなかったと主張するが、このシュレッダーは、1分間に何千枚を処理できる高性能機器。立憲民主党の安住淳国対委員長は「あれを1カ月使えば日本政府の書類を全部廃棄できる。(予約が取れないとは)明らかに事実と違う」と指摘。内閣府に、シュレッダーの「予約票」提出も求めている。

野党は、これまでの「追及チーム」を「追及本部」に格上げし、25日に初会合を開くことを決めた。れいわ新選組の参加も決定。人数を大幅に増やして70~80人体制とし、首相の地元山口での調査も予定する。