首相主催の「桜を見る会」に、破綻したマルチ商法のジャパンライフの元会長や反社会的勢力とみられる人物が出席していた疑惑で、野党は28日、政府が資料提出や説明を拒否しているとして29日以降の国会審議に応じない方針を固めた。

15年に招待されたジャパンライフ元会長の招待状や受付票には「60-2357」という区分番号がある。「60~63」の区分番号は首相、官房長官の推薦者で、野党は「60は首相の推薦枠」(小池晃共産党書記局長)と見て、元会長は安倍首相の推薦で招待されたのでないかと確認を求めた。

政府側は「招待者名簿を破棄したため数字の意図は分からない」と回答。野党側は昭恵夫人の知人も「60」番台でないかとただしたが、政府側は「存じ上げない」としている。野党4党は国会内で協議し「自分たちが出した資料に書いてあることの確認すら拒否するのは、よほどやましいのではないか。あらゆる限りの手を尽くして戦いたい」(安住淳立憲民主党国対委員長)とした。政府が推薦枠に関する説明をしなければ、衆参両院で審議に応じない方針を決めた。

国会は29日、衆院本会議でカジノ管理委員会委員長らの国会同意人事案の採決などを予定。会期末を12月9日に控え、終盤国会の攻防は激化するが、与党側は野党の出席が得られなくても審議、採決をする方針。