大正から令和まで、4時代を生きた作家で僧侶の瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)さんが9日、心不全のため、京都市内の病院で死去した。99歳。06年に文化勲章を受章した。

寂聴さんは8月30日に更新した公式インスタグラムで、新型コロナにも感染せず、元気であることを報告していた。

マスクをおでこにかけ、笑顔を浮かべた写真とともに「こんにちは。暑い日が戻りましたがご体調はいかがでしょうか? 私は風邪も引かず、コロナに感染することもなく、元気にしています 当面は来客もすべてお断りして、静かに寂庵で過ごしています。人に会わないことが一番です」と記述。

精力的に執筆活動を続けていたようで「おかげさまで仕事がたくさんあり、連載の締め切りやらで夏休みは私にはありません。コロナはいつになればなくなるのでしょう。100年近く生きてきてこんなことは初めてです。外出も定期検診の病院へ行くぐらいで、久しぶりに外へ出たら、さるすべりの花が咲いていて綺麗でした」と続けていた。

そして掲載した写真について「マスクを下にずらす人はいても、上にする人はいないとか マスクは私は鼻が低いから苦手です」と笑顔の絵文字を使いつつ記した。この更新が最後となった。

また、今月11日にはインスタグラムが更新。寂聴さんが開いた寺院「曼陀羅山 寂庵(まんだらさん じゃくあん)」名で「2021年11月9日、永眠いたしました」と記載。「葬儀は近親者のみで執り行います。みなさまにおかれましても、静かに瀬戸内を見送りくださいますよう、何卒お願い申し上げます」とした。