着実に評価を上げる楽天ドラフト1位の辰己涼介外野手(22=立命大)。宝物にしている意外な「縁」とは…。

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オコエと定位置争いを繰り広げる辰己には、もう1人意識する存在がいる。阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24=大阪ガス)。兵庫・社高に入学した時の3年生で寮長も務めていたのが近本で「僕らの学年では『社のイチロー』と呼んでいました」と雲の上の存在だった。

大学でも同じリーグで戦った2人の運命は、ドラフトで再び交差する。辰己を抽選で外した阪神が近本を1位指名。辰己は先輩へのリスペクトを隠さない。14日の阪神戦で近本が2安打を放つと「近本さんは『自分の角度』を持っているから、ミスショットが少ない」。インパクト時の手首とバットがつくる角度を実演しながら「打ったから言うわけじゃないんです。都市対抗とか見てきて、僕はずっと打撃は近本さんが格上だと言ってますから」と4打数無安打だった自分のこと以上に冗舌だった。兵庫の「公立の雄」が生んだ2人のドラ1が、両リーグの新人王レースを席巻するかもしれない。【楽天担当 亀山泰宏】

ヤクルト対楽天 試合に勝利しヒップタッチを交わす楽天外野陣。左から辰己、オコエ、卓丸(撮影・足立雅史)
ヤクルト対楽天 試合に勝利しヒップタッチを交わす楽天外野陣。左から辰己、オコエ、卓丸(撮影・足立雅史)