今季から育成選手となったヤクルトの由規投手(26)が先発からリリーフに転向するプランが浮上していることが10日、明らかになった。右肩の故障などで11年以来、1軍登板はない。度重なる右肩の故障のため、通常よりも疲労回復には時間がかかる状況。肩への負担を考え、先発よりも少ない球数で済むリリーフで起用される見込みだ。

 リリーバー由規が、誕生するかもしれない。2軍の宮崎・西都キャンプで、前日9日のフリー打撃に登板した。カーブやスライダーを織り交ぜ、25球を投げた。前に飛ばされたのは4球だけ。3球で空振りを奪った。見守った宮本賢治2軍監督(56)は、今後の起用について「先発であれば、肩のことを考えて10日以上、間隔を空けなければ回復しない。リリーフで1試合おきに登板すれば(右肩の)回復まで時間はかからない」とリリーフ転向を示唆した。

 右肩を考慮した上での転向プランだ。先発ローテに入れば中6、7日で、1試合に100球前後を投げる必要がある。だが、13年に右肩のクリーニング手術を経験するなど、何度も右肩の違和感を訴えてきたため、疲労回復に10日前後の間隔が求められる。リリーフ起用であれば、1試合に30球前後。連投はせず、1試合おきに登板することで患部への負担も軽減される考えが込められている。

 11年9月3日巨人戦(神宮)を最後に1軍登板がない。昨年11月に育成契約を結んだ際は、今後について「先発なのか、リリーフなのか分からないけど、どこでも投げます。僕には選べる権利はない」と話した。これまでは主に、先発として調整を進めてきた。過去68試合に登板し、先発起用されたのは66回。リリーフ登板は2試合だけだが、どこでもがむしゃらに腕を振る覚悟はできている。

 今季から右肩への負担を和らげるために、肘の位置を下げてスリークオーター気味の投法も試すなど1日でも早い支配下登録を目指している。昨季までの守護神・バーネットの穴を埋める存在として、1軍に帰ってくるかもしれない。

 ◆由規の悪戦苦闘の日々 10年8月26日の横浜(現DeNA)戦(神宮)で161キロを計測。11年9月3日の巨人戦(神宮)が最後の1軍登板。13年4月11日、横浜市内の病院で右肩のクリーニング手術。14年6月14日、イースタン・チャレンジマッチのフューチャーズ戦で792日ぶりの実戦復帰。15年の1軍春季キャンプに3年ぶりに合流。同年2月22日の日本ハムとのオープン戦(浦添)に登板。151キロを計測し、復調をアピール。復活を期待されたが、1軍登板はゼロ。同年11月12日に育成契約を結んだ。