JR九州から入団した中日福敬登投手(23)が被災地にエールを送り、自身の活躍も誓った。18日、自主トレを行った新人左腕は熊本に物資を送る手配をしていることを明かした。

 「大変なことになっている。すごい状況と聞いている。育ててもらった場所なので僕なりに恩返しをしたい」。JR九州時代に5年間、福岡県で過ごした。「第2の故郷」という九州を襲った悲劇に心を痛めた。神戸出身で2歳のときに被災もしている。

 九州各地に散らばる元同僚らと連絡を取ってきた。特に熊本駅には野球部で最も世話になった先輩が勤め、この日も電話で話した。「4日間着替えていない」などの現状を聞いており、すぐさまチーム関係者に声を掛け、着るものを発送する手配を始めた。

 巨人戦が予定されていた19日、20日の熊本・鹿児島シリーズが中止。勇姿を見せる機会が失われた。1軍では5試合(先発1)に投げ、防御率5・40。今日19日から3日間の全体練習では、シート打撃に登板予定だ。突如、穴の空いたスケジュールも福にとっては大事な数日になる。「試されているのかなと思う。どうアピールするかを考えて投げたい」。九州に心寄せる男が、簡単に負けるわけにはいかない。【柏原誠】