阪神金本知憲監督(48)の攻撃的なタクトが風に翻弄(ほんろう)されてしまった。

 1点リードに転じた8回から守護神マテオを投入。3番丸からの好打順を3人で抑えた。その裏に1点追加し、逃げ切り確実に見られたが、まさかの展開が待っていた。

 9回、先頭鈴木の飛球は落下点が予測不能な風にあおられ、遊撃鳥谷も捕れない。さらに、代打安部の打球は右飛に映ったが、名手の右翼福留が目測を読み切れないままスタンドイン。痛恨の同点2ランを浴びてしまった。

 その裏、高山のサヨナラ打で辛くも勝ったが、指揮官は苦笑い。「最後になぜ、ライトに風がフォローだったのか。どこまでツイてないのかなって感じはしました。あんな風、ないよ。雨でもなく、秋でもなく。あの時、あの場面で吹くか。どこまで勝ち運ないのかと思ったよ」と目を丸くした。気まぐれな風に惑わされながらも白星をつかみ、再び貯金1とした。