オレが止める!

 今日1日ヤクルト戦(倉敷)に先発する阪神藤浪晋太郎投手(20)が悲壮な覚悟で挑む。5連敗中、借金2、さらにエース能見が離脱と、まさに弱り目にたたり目。こんな窮地でこそ燃える夏男が、悪い流れを断ち切り、上昇ムードをつくる意気込みだ。ヤクルト、DeNAとの6連戦。先陣を切る藤浪が現状を打開する。

 期待が大きければ大きいほど、藤浪は燃えたぎる。チームは現在引き分けを挟んで5連敗中。借金は今季最大の2となった。さらにこの日、前日に負傷降板したエース能見の出場選手登録が抹消された。今日1日から迎え撃つ5位ヤクルトには3ゲーム差までつめられている。週末はDeNA戦が控え、取りこぼせない下位との6連戦。チームの正念場を前に、藤浪は言葉を選ぶように話し始めた。

 「そうですね…。空気はよくないと思うので、流れを作れるようなピッチングをしたい。するべき仕事を全うしたいです」

 交流戦を2勝2敗で終え、リーグ戦再開後初登板となる。対峙(たいじ)するヤクルトとは今季初対戦。主力のバレンティンや畠山がいないとはいえ、チーム打率はリーグトップの2割8分5厘。カード頭を落とせば連敗は伸び、流れはさらに悪く、重く苦しくなる。藤浪も「チームとして点を取ってくる印象。嫌らしい野球に負けないように」と警戒を強めた。

 準備は入念に行ってきた。前回の登板から中13日と登板間隔が空いた。休み期間は心身のリフレッシュにあてた。治療で疲れを取り、ランニングメニューでは汗もたっぷり流した。6月25日にはフリー打撃に登板するなど、調整は順調だ。大阪桐蔭3年時、夏の甲子園を制した実績に裏付けられるように、もともと暑くなるにつれて調子も上向いていく。昨季は7月2勝1敗、8月4勝無敗だった。藤浪に不安材料はないと言っていい。

 「いつも通りですね。ボールも悪くないし、ブルペンでもしっかり投げられた。しっかり調整できたと思います」

 5月には調子が上がらず負ければ2軍降格の可能性さえあった。だが瀬戸際の一戦で結果を残して信頼を取り戻した。ここ一番で光る勝負強さを、今度はチームのために発揮する。舞台は初めての倉敷だ。「しっかり歩幅を合わせていけば大丈夫だと思います。ゲームのなかでもしっかり対応していきたい」。訪れた危機を救えるか。命運は藤浪に託された。【池本泰尚】

 ▼藤浪は昨季、7月以降に13試合登板し6勝3敗、防御率は2・33の好成績。とりわけ真夏の7、8月の2カ月に限ると、8試合に投げ6勝1敗、防御率1・47と夏バテ知らずの快投。6月までの4勝3敗、防御率3・28から数字を上げた。