パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止や人質解放を巡り、イスラエルとイスラム組織ハマスの間接交渉が4日、エジプトの首都カイロで始まった。英BBC放送によると、ハマスは初日に新たな進展はなく、5日も継続すると述べた。ハマスは合意文書に戦闘終結を明記するよう強く要求しているとみられ、ハマス壊滅を掲げるイスラエルとの妥協点を見いだせるかどうかが焦点となる。

交渉はエジプトと米国、カタールが仲介し、4日は米中央情報局(CIA)のバーンズ長官も参加した。イスラエル紙ハーレツは進展がない限り、イスラエルは代表団を派遣しないとする当局筋の話を伝えた。

イスラエルは戦闘休止や人質解放の段取りを3段階で提案している。ハマス幹部はロイター通信に「合意には戦闘終結とイスラエル軍のガザ撤収が含まれなければならない」と述べた。イスラエルメディアによると、同国外交筋は、ハマスが「合意の可能性をくじいている」と批判している。

イスラエルのネタニヤフ首相は戦闘終結を含む合意は受け入れないとし、合意の有無にかかわらず、避難民が密集するガザ最南部ラファに侵攻すると明言している。イスラエル中部テルアビブでは4日夜、ハマスに拘束されている人質の家族らが大規模集会を開催し、ネタニヤフ氏に現在の交渉を妥結させ、人質解放を進めるよう要求した。

パレスチナ通信によると、イスラエル軍は5日もガザへの攻撃を続け、ラファでは空爆で民間人数人が死傷した。ガザ保健当局によると、戦闘開始以降のガザ側死者は3万4654人。(共同)