将棋の第７７期順位戦Ｃ級１組１回戦、藤井聡太七段（１６）対森下卓九段（５２）が２０日、関西将棋会館で行われた。同１回戦は６月１９日に行われる予定だったが、大阪北部地震の影響で延期になっていた。藤井は今月１９日に誕生を迎え、１６歳になったばかり。同会館にはファンからの誕生日プレゼントも届いている。１６歳初戦を白星で飾りたいところだ。通算成績は８２勝１５敗。

　午前１０時、お互いに深々と一礼し、対局を始めた。先手の森下は７六歩、藤井はいつものようにお茶を一口飲んでから歩を進めた。

　森下は「森下システム」という独自戦法を編み出した実力者。若手時代、羽生善治竜王にことごとく敗れ、タイトルに手が届かなかったことから「シルバーコレクター」「無冠の帝王」の異名で知られている。

　順位戦は最上位のＡ級からＣ級２組までの５クラスに分かれて戦い、Ａ級の優勝者が名人挑戦者となる。１年１期で各組のリーグ戦１０回戦を行い、成績によってそれぞれ昇級、降級をする。「飛び級」はない。１期抜けを果たすには全勝もしくはそれに近い成績が必要となる。新人プロはＣ級２組からスタートし、名人になるには最短で５年がかかる。

　持ち時間は各６時間。夜には決着する見込み。