21日に現役引退を表明したマリナーズ・イチロー外野手(45)が、2001年(平13)からブランドパートナーを務めるSMBC日興証券は、引退発表から一夜明けた22日、今後もブランドパートナーの契約を継続する考えを示した。同社の広報部は「契約を見直す考えはございません。イチロー選手は、常に野球の本質を追求し、未来に向かって新しいことに挑戦する想いや、ファンを大切にする姿勢等が、当社の思いや姿勢とまさに重なり、当社のメッセージを体現化できる稀有(けう)な存在であると考えておりますので、引き続きCM契約を継続します」と明言した。

イチローは2000年(平12)に日本人で初めてポスティングシステムを使って大リーグに挑戦し、同11月にマリナーズと契約を結んだ。一方、日興証券(当時)は翌01年10月に、日興コーディアル証券に社名変更して持ち株会社体制へ移行し、証券会社本位ではなく顧客本位の体制への以降を目指す一方、日本人初の野手での大リーグ挑戦という前人未到の領域に挑戦するイチローとCM契約を結んだ。その裏には

(1)ベースボールを心から愛する野球人として、明確な信念とビジョンを持ち、その活動を通じて国境を越えて大きな感動を呼び起こしていること

(2)実績の礎となっている“自らの仕事に対する真摯(しんし)な姿勢”や“弛まない自己研さん”といった行動の全てが、社の目指す方向性と合致する

という理由があった。当時、イチローとCM契約を結んだのは同社だけだった。それから17年余りの間、契約を継続する中、18年に同社が創業100周年を迎えると、イチローが祝福のメッセージを送るなど深い関係を続けてきた。

今後、引退したイチローへの感謝の意を表すCM、広告展開をするかについて、SMBC日興証券の関係者は「今後検討していく予定です」と答えた。