「監督に怒られました」。試合後、浦和レッズFW興梠慎三は照れ笑いを見せた。1点リードの後半38分。自らのシュートが相手MF青木の手に当たり、VARでPKを獲得した。

もともとキッカーはDFショルツに決まっているが「なんか蹴りたくなりました。(相手が去年所属した)札幌だったからかもしれないし、埼スタのあの雰囲気で」。同DFに頼んで代わってもらい、ためらうことなくゴール左に蹴り込んだ。「PKって時が止まる瞬間だし、全員が注目している中で蹴るPKはやっぱり気持ちいい」と快感に浸った。

22年ぶりの芝の張り替えなどでリニューアルされた“新・埼スタ”で試合を行うのは今季初。コロナ禍で制限されていた声出し応援も全席で復活した。興梠は「久々に声出し応援であの雰囲気の中でやれた。やっぱり浦和ってすごいってあらためて感じたし、僕たちはサポーターに支えられてるってあらためて思いました」。相手DF中村が退場になったのも興梠のキレのあるドリブルを止めようとしたから。浦和サポーターの熱は間違いなく、興梠を後押ししていた。【千葉修宏】

浦和DFショルツ(先制ゴール&PKを興梠に譲って)「慎三にノーとは言えないよ。自分も自信はあったけど、今日の慎三はいつにもまして得点したいという雰囲気だったから。でも2得点のチャンスなんて自分にはそうそうないから正直蹴りたかった(笑い)」