紅白視聴率7年ぶり上昇42.9%
大みそかのNHK紅白歌合戦の平均視聴率が、42・9%(関東地区の第2部)だったことが2日、ビデオリサーチの調べで分かった。史上最低だった前年より3・6ポイント上回り、長期低落傾向に7年ぶりに歯止めをかけたものの、悲願の「50%」には遠く及ばず、03年の45・9%にも届かなかった。スキウタ導入、みのもんた(61)司会起用など、なりふり構わぬ演出も起爆剤になりえず、限界がみえた結末だった。
NHKがかたずをのんで見守った紅白視聴率。司会のみのもんたのコメントが、NHK、紅白スタッフの無念を如実に代弁していた。「65%、最低でも50%を目標にしていたのに、全く自分の非力を嘆いております」。まぎれもない敗北宣言だった。
午後7時20分からの第1部、同9時半からの2部とも前年を上回ったのは、98年以来7年ぶり。04年に記録した史上最低の39・3%から40%台に戻した。NHKの公式コメントは「昨年を大きく上回る数字になり、多くの視聴者に支持された」と成功を強調した。しかし冷静にみれば「下げ止まり」にすぎない数字だ。
NHKの落胆は大きい。今回は、従来では考えられない禁じ手まで使って視聴率至上主義に徹した。大々的に実施した「スキウタ」アンケートでは、若者中心の選曲になるなどのゴタゴタがかえってネガティブキャンペーンになった。司会にも例年の局アナではなく民放の視聴率男みのを起用し、宙づりまでさせた。演出でも、民放格闘技番組の登場人物のそっくりさんを登場させたり、ゴリエのステージでフジテレビのマークをつくったり、琴欧州には出演CMの商品名まで言わせた。橋本元一会長(62)は本番前に「前年は超えると思う。限りなく50%以上も」と期待をふくらませた。ここまでやったのだからという希望的観測だったが、茶の間は踊らなかった。
放送評論家の佐怒賀三夫さん(76)は「人気タレントを集めたり、格闘技に新鮮さがないことに助けられたが、多メディア時代に50%回復は不可能。今後も45%が限界」。デーブ・スペクターさん(51)も「ハプニングやトラブルの期待があり、沈む船を見るような同情もあったと思うけど、50%は無理」とみる。時代の中で紅白の位置づけが鮮明になった一夜だった。
[2006/1/3/09:36 紙面から]
写真=白組勝利も、「紅組優勝」の文字入りパンツでアピールするゴリエ(撮影・中村誠慈)
|