【第10回】
血流悪化は全身の機能低下を招く
サラサラ血1
サラサラ血、ドロドロ血といった概念が、かなり浸透している。全身に酸素と栄養を送り老廃物を運ぶ血液は、確かに健康のバロメーターになる。ドロドロ血は一般的には血液中に中性脂肪やコレステロールなどが増えた状況をいうが、もう1つ考えるべき点は血液そのものの状態だ。
「赤血球などの状態も血流に影響を与えます。末しょうの毛細血管は非常に細いので、赤血球や白血球がうまく変形しなくなると、血液がスムーズに流れません。また血を固める作用のある血小板は、ストレスや動物性脂肪の取り過ぎなどで凝集しやすくなります」と中野優・東京医科大総合健診センター助教授は指摘する。
体内に細菌が侵入し、それを白血球が取り込むと、白血球そのものが粘り気を帯びるようになり、これも血液の流れを阻害する原因になる。サラサラ血の定義はドロドロ血ではない状態といった方が、具体的に理解しやすいかもしれない。
人の体は血管から老いる、という言葉があるが、これも血液の状態が大いに関係している。血管壁は血管内皮細胞で覆われている。余計なものを付着させないために血液凝固を抑制したり、血栓を溶かす物質を産生している。「血液中のLDL(低比重リポタンパク=コレステロール)が多過ぎると一部が血管壁に沈着します。そこで活性酸素で酸化LDLとなり、これが血管内皮細胞を傷つけるのです。すべては血管壁の傷から始まるといっていいかもしれません」(中野助教授)。
血管壁が傷つくと血栓(せん)もできやすくなり、動脈硬化の第1歩ともなる。毛細血管から酸素や栄養が血管の外ににじみ出し、外からは老廃物、二酸化炭素が血管の内側に入り込むことで生命は維持されている。血流は悪くなると体に必要な成分が行き渡らなくなり、全身の機能が低下するということになる。サラサラ血は健康を保証するもの、といえる。
【ジャーナリスト 小野隆司】
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