関東の眠れる大砲が、ついに目を覚ました。池田勇人(30=埼玉)が、ホームまくりで13年6月久留米以来、通算2度目のG3優勝を決めた。

 「まさか取れると思わなかった。本当にびっくり」と笑った。今年は試練の日々だった。ギア規制により体格を生かせた大ギアのアドバンテージを失い、5月全プロ記念競輪では右鎖骨を骨折。不振にあえぐ池田を救ったのは、武田豊樹だった。寬仁親王牌で同部屋になった縁で助言を求めた。準決で中団から強引に踏んだのも「仕掛けを迷って負けるなら、仕掛けて負けた方がいい」という言葉があったおかげだ。

 「もう少し上を狙っていきたい。やっぱりオールスターですよね」と、月末に迫るG1を見据える。小田原城下に、関東自慢の大砲が豪快に鳴り響いた。